小児ネフローゼ

「普通の子どもの生活をする」ことは、できる

tanijima

1 ネフローゼを「受け入れる」ことで、「普通の子どもの生活」ができる

たにまる
たにまる

こんにちは。たにまるです。

今日もお会いできてうれしいです。

前回の記事では、子どもたちのネフローゼを「受け入れる」大切さについてお伝えしました。

周囲がネフローゼを受け入れることは、子どもたち自身がネフローゼを受け入れることにつながります。

そして子どもたちは、ネフローゼを受け入れると、「普通の子どもの生活をする」ことにつながっていきます。

この記事では、ネフローゼの子どもたちの「普通の子どもの生活をする」重要性について、伝えていきたいと思います。

たにまる
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「受け入れる」ことは、なんで「普通の子どもの生活」をすることにつながるんだろう。

2 基本的に制限はいらない

お子さんがネフローゼだと診断されたとき、

この子の将来はどうなるんだろう

これからこの子はどんな風に暮らせばいいんだろうか

などといった心配をする方も多いかと思います。

ですが、心配いりません。

ネフローゼの子どもたちは、「普通の子どもの生活」を送ることができます。

たにまる
たにまる

僕も普段は普通に暮らしているよ〜。

学校にもいけますし、外で遊ぶこともできます。ごはんも基本的には制限が必要ありません。

『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』(2018年・東京医学社)の本の中で、小児科医の伊藤先生は次のように書かれています(太字はたにまる独自でしています)。

 もちろん腎臓の病気でも、むくみが強いときや血圧が高いときなどは、運動や食事内容の制限を課すこともあります。しかし、実は一部の場合を除いて、様々な制限は不要なことがほとんどです。継続的に減塩食や運動制限が必要な場合は、極めて稀なのです。
 (略) 
 現在、小児腎臓病の専門医は「科学的根拠のない制限は行わない」という考え方を大切にしています。日本小児腎臓病学会でも、腎臓病や学校検尿で異常が発見された子どもたちなどの管理について、以前と比較して運動制限を大幅に緩める指導をしています。その結果、現在は腎臓病の子どもであっても、普通の子どもと大きな差がない生活が可能となっています

『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』p8-9

この記事を読んでいる方の中にも、ネフローゼにはいろんなネガティブなイメージを持たれている方がいるのではないでしょうか。

ごはんは減塩しないといけないのかも

運動は制限しないといけないのかな

常に安静にさせないといけないのでは・・・・。

ですが、治療が進歩するにつれて、その制限のほとんどがいらなくなったのです。

3 運動はむしろおすすめされている

むしろ、ネフローゼの子どもたちにとっても運動は、とても重要です。

『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』には、次のように書かれています。

保護者の皆さんにお願いしたいことは、主治医や専門医の先生と相談して、可能であれば積極的に運動をさせてほしいということです。運動により体が丈夫になり、かぜ(感冒)をひかなくなりネフローゼの再発が減ったり、骨が丈夫になりステロイド薬の骨への副作用が改善したり、また精神的にも自立して病気と向き合うようになったりと、良いことがたくさんあります。

『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』p8

もちろん、お子さんをとても心配する気持ちは非常にわかります。

お子さんの将来のことが不安な気持ちもあると思います。

「この子が大人になっても治療が必要なら、自分がいなくなった後はどうなるのか」と考える方もいるかと思います。

ですが繰り返しになりますが、ネフローゼと付き合いながらでも、

普通に生きて、暮らすことができます。

だからこそ、子どものときの過ごし方が大事なのです。

4 普通に暮らすことは、子どもの自立につながる

また『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』では、次のようも書かれています(太字はたにまる独自でつけています)。

幼い頃から病気や治療のことを子どもによく説明し、自分の病気を自分で管理できるよう育てていくことが大切です。また、思春期の頃は反抗期と相まって、怠薬(薬を飲むのをさぼること)が頻発するので、親からの注意深い確認と、自己管理ができているときの褒め言葉を忘れないようにしてください。
 小児科から成人診療科に転科する頃には、自分の健康や病気を自ら管理し、就学・就職、さらに妊娠・出産・子育てなどを自立した成人としてできるようになる必要があります。この一連の流れを支援するのが「移行医療」という考え方です。病気の子どもこそ自立して生きてゆく強さを備える必要があるのです。

『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』p10

お子さんを守りたい気持ちから、なるべくお子さんに安静にしてもらいたくなる思いもわかります。

ですが、多くの制限を課すことは、子どもたちの自立する力や心にとって、よくない影響を与えてしまいます。

「普通の子どもの生活をする」よう周囲が促すことで、子どもたちは健やかに自信をもって大人になっていけるはずです。

たにまる
たにまる

ぼくも、子どもの時に普通に過ごしていたから、今があります。

4 終わりに

 この記事では、ネフローゼの子どもたちが「普通の子どもの生活」を送る大切さについて、お伝えしました。

 次回は、「普通の子どもの生活」を一緒に考えるお医者さんとの信頼関係について、書きたいと思います。

たにまる
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今日も読んでくれて、ありがとうございました!

ABOUT ME
たにまる
たにまる
3歳から難病を発症。その後何度も入退院を繰り返しながら大学院まで修了。 学生時代に出会った学習障害の男の子との出会いをきっかけに療育や不登校指導、外国籍生徒指導など特殊指導を専門に従事
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