食事には必要な制限と不要な制限がある
1 基本的には食事制限は不要
こんにちは。たにまるです。
今日もお会いできてうれしいです。
今回は、ネフローゼについての正しい知識を得るために、
日常生活における食事についてお伝えしたいと思います。
この記事では、以下の本の部分を参考にしながら、考え方をご紹介していきます。
『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』の「序章 慢性疾患のお子さんと保護者の方へのメッセージ」の中で、著者の伊藤秀一さんは「ぜひ知っておいてほしいこと」として、次のことを挙げています。
③ 普通の子どもの生活をさせよう。病気だからこそ自立させよう
『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』p8-9
(略)もちろん腎臓の病気でも、むくみが強いときや血圧が高いときなどは、運動や食事内容の制限を課すこともあります。しかし、実は一部の場合を除いて、様々な制限は不要なことがほとんどです。継続的に減塩食や運動制限が必要な場合は、極めて稀なのです。
確かに再発しているときなどには塩分の制限などが必要な場合がありますが、基本的には食事制限は不要だと説明されています。
今回の記事では、何が必要な食事制限で、何が不要な制限なのかについて、お伝えできればと思います。
2 食事制限が必要なときの考え方
2−1 再発時には塩分制限が必要
ネフローゼ症候群が再発している場合、たんぱく尿が出ている間は、塩分制限が必要です。
『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』のp128によると、塩分の量は1日3g程度にすることが目安とされています。
具体的な塩分制限の工夫の例としては
などが挙げられます。
ただし、以下の場合は塩分制限は解除した方がよいとされています。
ただし、腸管の浮腫などで食欲が減退していることが多いため、あまり食事が摂れていなければ塩分制限を解除した方が良いです。
『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』p128
再発の時には、塩分を控える工夫が必要みたいだね。
2−2 再発時でも不要な制限:水分の過度の制限
かつては水分の制限も行われていました。
ですが現在では行わないことが良いと言われています。
一方で、かつては行われていた水分の過度の制限は、血液が濃縮されてしまうことにより血栓症やショックを誘発する危険性もあるため、飲水を大量にしすぎる患者さん以外では水分制限は行わない方が良いです。逆に、低蛋白血症が重度であっても水分がしっかり摂れていればショックになることはあまりありません。
『新 子どもの腎炎・ネフローゼ』p128
2−3 再発がない場合:食事制限は基本的に不要
ネフローゼ症候群が再発していない場合には、
塩分制限はもちろん、食事制限は基本的に不要です。
ただし例外として、薬の副作用によっては制限が必要がある場合もあります。
詳しくは本を参照していただければと思います。
ぼくも、普段は普通の食事をしているよ!
2−4 ステロイド薬の副作用である食欲増進には注意
ただし寛解して塩分制限が不要になったとしても、治療薬として使われるステロイドには、食欲を増進させる副作用がありますので、食べ過ぎには注意です。
治療薬にステロイドが使用されますが、投与期間が長くなると、異常におなかがすいてきます。今まであまり食べなかったこどもであっても、人が変わったように空腹を訴えたり、大量に食べたりします。この空腹はステロイドの副反応によるもので、空腹感のまま食べてしまうと、体重は簡単に増え(中心性肥満)、顔はまん丸(ムーンフェイス=満月様顔貌)になります。
『こどもの腎臓病と治療』p84
空腹はつらいけど、食べ過ぎはその後が大変になるんだね。
3 お医者さんと話し合うことが大事
これまで見てきたように、基本的には食事制限は不要ですし、
例外的に薬の影響や、再発した際には塩分制限が必要であることもわかりました。
ですが、お医者さんのなかにはまだ食事制限が必要という考え方をすることもあるようです。
そこで『こどもの腎臓病と治療』では次のようにアドバイスがあります。
安静や食事制限が大切だと言われる先生もまだたくさんいることも事実です。その場合、主治医の先生とよく話し合ったり、ほかの専門の先生へ意見を聞きに行くこともできます(セカンドオピニオンといいます)。
『こどもの腎臓病と治療』p81
ネフローゼについての正しい知識を得たうえで、お医者さんとよく話し合い、場合によっては他のお医者さんへ相談することも、日常生活の食事を考えるうえでは重要です。
わからないことがあればお医者さんに相談しよう!
4 おわりに
今回の記事では、ネフローゼの子どもたちが日常生活を送る上で大切な食事についてお伝えしました。
などについては、なた本で確認いただければと思います。
次回は、日常生活のうえでは欠かせない運動について取り上げます。
基本的には食事と考え方は同じですので、記事でご紹介したいと思います。
今日も読んでくれて、ありがとうございました!